・・・前回からの続き
ボケというよりは天然ボケ全開だった元気な頃の母と桜
ある日のことでした
実家は昨年から週イチで
訪問歯科の衛生士さんに
両親まとめて歯科ケアに通ってもらっており
その日はたまたま月イチの
歯科医師定期訪問の日でした
たまたまちょうど爺さんの口腔内で
ちょっとした問題が発生してたこともあり
その月は症状の確認のために
別の先生が訪問してくれることは
わたしも事前に聞かされてはいました
・・・が!
突然現れたその先生・・・
それはまるで
時空を超えてやって来た
近未来からの使者
長身痩躯に
イカしたフェイスシールド
そして
宇宙服を彷彿とするような
洒落たイマドキの白衣姿
診察立ち合いのわたしと
たまたま時間がかち合ったヘルパーさんは
なに、この違和感・・・
心の中でまったく同時に呟きました
いつもの見慣れた
メイン先生とは違って ちょっと失礼かも
なんだか妙に
シュッとした若手歯科医師
ただしフェイスシールドにマスクの完全防備ゆえ
素顔はあくまで謎かつちょっとロボっぽい
爺さん婆さんとの絵面に
ヘルパーさんとわたしがザワザワしてた
ちょうどその時
リビングのソファでいつものように
虚に横になっていた母が
いきなり覚醒したと思ったら
なにやら喋り出しました
最初は何を言ってるのか
わたしにもわかりませんでしたが
よくよく聞いてみると
うわあ〜
イイ息子が来たねえ
たしかそんな感じだったかと
ちなみにウチは
長女姉、次女姉、わたし
オンナばかりで あ、いちおう (゚∀゚)
つまり母には息子はいませんし
あえて言うならば
長女姉の息子である孫がひとりいますが
・・・その孫つまり
わたしの甥っ子氏は
近未来とはほど遠い
タイプの青年ですので
たとえどんなに
母のボケが進んでいるとしても
さすがに見紛うなど
あり得ないわけで (゚∀゚)
わたしが推測するに
その時の母としてはおそらく
イイ男キターーー!
・・・的な
感情のほとばしりだったのではないかと
そういえば
介護関係者はほぼ女性ですし
家にいるのは対面するソファの爺さんのみ
すっかり何にも興味を失って
テレビを観ることすら忘れてしまった母ですが
通常ほぼ関わることのない
イイ男への渇望
そんなモノがほんの少し
まだ残っていたのかもしれませんね
あ、主治医の先生、長女姉夫
あとはその他の男性方・・・なんかスミマセン
その後も母は診察中にもかかわらず
その近未来先生に対して
絶好調で何か話しかけ続け
その場にいた関係者全員が
いつもの〇〇さんと
様子がぜんぜん違う!
そう訝しむことしきり
そして診察を終えた近未来 もう呼び捨て は
いやあ
話で聞いてたより
ずっと
お元気ですよねえ!
そんな感想を残して母に手を振ると
路駐していたタイムマシンに乗り込み
時空の彼方へと帰っていきました
未来の世界の歯科医師型ロボット
・・・くすくすくす (゚∀゚)
なんとも言えないその面白さに
わたしがなんとなくニヤニヤしていた
そのほんの数時間後
とある予想外の事件が勃発し
謎の超常現象が招いた結果が
その後の母の運命を大きく変えたという
まごうことなき事実
ただひとり(向かいのソファで爺さんも目撃してましたが)
現場で目の当たりにしたわたしは
のちに振り返ってそう確信したのでした
母の身に起こったその現象とは
・・・まあ、とにかく
動く!喋る!
動く!喋る!
動く!喋る!
動く!喋る!
・・・そして、暴れる ⤵︎
つねに荒ぶっていた
あの徘徊期を彷彿とさせるほどの
激しい運動量
いつものように介護ベッドに寝かせても
自力で起き上がって
リビングのソファに戻ろうとする繰り返しで
危ないからヤメレ!
いくら制止しても
言うことなど聞くわけもなく
ずっと何か言いながら
とにかくバタつくばかり
しかたないので
母の望み通りにしてやろうと
いったんソファに戻し様子を見ていると
あろうことかこんなことも ↓
「ウチにはお金が無くてお父さんを保釈させられないの」
— ねこぞう (@nekoshigoto) 2021年1月22日
「お父さん、ごめんねえ〜」
・・・って
ボケ倒した母が
向かいのソファに座る父に謝ってた (゚∀゚)
父ちゃんの犯した罪がなんなのか気になる (゚∀゚)
— ねこぞう (@nekoshigoto) 2021年1月22日
さらには
自分の座っている長座布団を掴んで
自分ごと持ち上げようとしながら
持ち上がらない〜
重い〜
鞄に入れて
コレ持って行く〜
・・・ほお
ナニを?
どこに?
延々と続く
母の一人コントを眺めながら
新たなるゾーン
ついに来たな、コリャ
そう
ピコーンッ!と気づいたわたしでしたが
すでに日が暮れていましたし
実家勤務終了時間も過ぎていたこともあり
いいかげん疲れて
家に帰りたい気持ちが勝ってしまい
あとは夜のヘルパーさんに任せて
その日はとっとと帰宅したのでした
するとまあ案の定
前日の大暴れで母はどこかを痛めたのか
翌日からは介助されても
ベッドから起き上がることもできなくなりました
これまでの母の生活は
週末のショートステイ以外は
父と一緒のヘルパーさんに
朝のオムツ替えや身支度を整えてもらうと
あとはリビングのソファで
ゴロンと横になって
一日中ウトウトしてるのが基本
それもいっさい出来ないまま
一週間ほどベッドで過ごしたはいいものの
アイタタタタタタタ!
本人的には少しの刺激にも痛がるばかりで
さて、どうしたものか・・・
主治医の先生やケアマネさんの指示を仰ぎ
整形外科を
受診してください!
まあ結局はそうなるわけで・・・
ストレッチャー付き介護タクシーを紹介してもらい
母のかかりつけの整形外科に
あらかじめ受診の旨を伝えると
受付のお嬢さんいわく
あ、ウチは
ストレッチャー入れないんですぅ
自分でレントゲン台に
乗れる方でないと・・・
へえ〜
そんな患者は
そこそこ元気だべ (゚∀゚)
もちろんそう思いましたので
担当の往診看護師さんを通して
整形外科のある大きめの病院で
ソッコー受診できる措置をとってもらいました
時はちょうどコロナの真っ只中で
発熱外来設置病院はピリピリムード
急な受診ということもあり
介護タクシーのストレッチャーのまま
アッチコッチ移動して長時間待機のうえ
ようやく診察を受けられましたが
その診断結果は
脱水と栄養不足による関節炎
長時間の点滴治療を受けての帰宅は
すっかり夜になっていました
車で15分ほどの病院ですが
介助付き
介護タクシー往復利用 完全自腹!
そうとうお高い料金になりましたが
家のベッドから病院内まで
運転手の若いお兄さんが
親身にお世話してくれるという心強さ
お高い料金も
ノープロブレム!
いやむしろ!
ファンキーな若い兄ちゃんと
楽しくお喋り出来たオバサン的には
それこそまさに
お、 ねだん以上。
・・・なわけで
その日の営業時間いっぱい
商売道具のストレッチャーを借りっぱなしで
他の搬送の仕事に
差し支えがあったのでは?
そうも思いましたが
たとえウチの貸し切り状態でも
一日の稼ぎとしては
まあまあ元は取れたかもしれませんしね
ですので思うに
免許や許認可
車両設備投資をクリアして
ガッツと人間力(大事)さえ
いい感じに持ち合わせていれば
男性としてはこれは
なかなかに稼げて
人助けにもなる
やりがいのある仕事では?
個人で独立、起業を目指す
そこの貴方!
介護の仕事をしてみませんか?
・・・なんの話でしたっけ?
まあいいや (゚∀゚)
つまりそういうことで
起き上がれなくなった母の症状は
恐れていた骨折などではなく
正直なところ
医療ではどうすることもできない
「老い」の進行
今後はおそらく
このまま寝つくであろう
誰もがそう思いましたので
介護ベッドを新しいものに替え
そんな
新兵器導入の二週間後
つまり足の痛みで起き上がれなくなってから
およそ一ヶ月ほどで
左踵からすでに褥瘡が・・・
訪看さんによる週イチの処置に加えて
在宅で家族が行う
こまめな処置も必要となったため
あきらかに状態の悪化が見られ
介護の度合いが重くなった
そう判断したケアマネさんの提案で
要介護4→要介護5へ
介護区分変更申請をサクッと終え
二月中には
認定員による訪問調査が
いつも通り無事に行われたのでした
・・・次回へ続く
本日のおまけ母の作品群
と、そのイジり
まずはまとめてこの子たち
その他もろもろの一部たち
そして例のコイツ
カメのジジイの名演技
本日のおまけ母のお買い物
デイで行った山形バスツアー土産
悩みのタネだったデイで買うお高級パン
冬場に毎週もたらされ
わたしを糖尿病へ誘おうとした
悪魔のシュトーレン(イメージ画像)
本日のおまけオニャンコポン
実家界隈に子種を撒き散らした
ビッグダディ「オジタン氏」
つねに笑顔を絶やさない不思議な猫
そして
絶賛徘徊期に吐露した
わたしの心の呟きたち
悩み苦しむわたしを
ひっそりと車の中で見守ってくれていた
二年前のおむすび
あとはその他たち
なーんちゃって (゚∀゚)