オレ、カメノジジイ35才
ドウヤラ
オレ、モウ死ンダラシイ・・・
オレ、実ハ
春頃カラ調子悪カッタカモ
ナンカ息ガチョット苦シクテ
試シニ大キナ口開ケテ
息吸ッテ息吐イテミタラ
メッチャ大キナ声出タモンデ
ソシタラ、イツモノオバサン
クワッパ!
クワッパ!って
デカイ声!うるさい!
文句バッカリ言ワレタゾ
アト、変ナ猫タチニ
二度見サレテ気分悪カッタ!
ダケド、チョウド同ジ頃
イツモノオバサンの爺サンモ
棺桶ニ両足突ッ込ミ中デ
イツモノオバサン
珍シクモロモロデ忙シソウデ
オレ、具合悪イノ我慢シタゾ
ソシタラ飯食ッテモ食ッテモ
ナンカ痩セテキテ
ウシロノ足プカァッテ
ナンカ浮イテキチャウクライ
食欲ハアルノニナァ
ナンカ変ナ感ジ
オレ、ドウヤラ
ドウニカナッチャッタミタイ
ア〜ア・・・
オレ、少シ居眠リシヨウカナ
ブクブクブク・・・ン?
ああっ!
顔面!
ずっと水没してる!
これじゃ
呼吸できねえべ!
救出!救出!
ジジイ!ジジイ!
まだ死ぬな!
しっかりしろ!
・・・オヤオヤ?
ナンダカ、イツモノオバサン
大騒ギシテウルサイゾ
バーカ!ウルサイ!
オレ、チョット眠イノニ・・・
オレ、顔グイッ!ト上ゲテ
思イキリ睨ンデヤッタゾ
イツモノオバサンメ
コレデ相当ビビッタカナ?
ドレドレ?
マタ顔上ゲテ見テヤルゾ
ソシタラ・・・
アレレ?ナンダ?
オレ、カラダガ動カナイゾ?
コレジャア
イツモノオバサンノ顔
モウ見レナイナア
マ、別ニイイケドモ
・・・ア?
コレッテ・・・モシカシテ
オレ、死ンジャッタノカモ
ナーンダ、ソウカア・・・
チョット
チェッ!テ残念ナ感ジダゾ
コノ世デ最後ニ見タノガ
イツモノオバサンノ
男泣キデグチャグチャノ顔!
本当、マジデヤダヤダ ⤵︎
ドウセナラ
本マグロトカ伊勢エビトカ
ゴ尊顔ヲ拝シテミタカッタゾ
マア、イイカ・・・
オレ、35年モ生キタカラ
トリアエズ少シ休モウカナ 💤
と、いうことで
令和五年九月二日
そこそこの長生きの末
無事にあの世に行ったジジイさん
冒頭の言いたい放題
顛末はだいたいこの通りでしたので
本人としてもまあまあ気が済んだと思いますので
ここからはわたしのターン
その最期を軽く補足したうえで
爺いのカメのために執り行った
無駄に丁寧な葬儀について
少しでもご参考になればと
出来るだけ詳細にお伝えしたいと思います
ジジイさんの亡くなった直後や葬儀の写真を含みますので
そんなんキモッ!見たくない!
そう思われる方はここまでで終了ということで‥
しかしながら驚くほど可愛いらしい姿ですので
出来ることならどうぞお付き合いください (゚∀゚)
それでは題して
真説
ジジイよ・・・永遠に・・・
そういえば
五年ほど前のことでした
更新のネタが枯渇したわたしが
突然こんな記事を更新し
カメのジジイのコアなファンの方々から
軽いお叱りを頂戴したのは・・・
まあ、その後いろいろ考慮した挙句
年齢詐称が発覚したりしたジジイさん
面倒くさくなったので
お正月過ぎると歳を食うシステムに変えてから
なんだかんだで満35才
ジジイさんが娑婆で修行を積んだ
その年数としてなら行年37才
外出から戻りしばらくして
「アレ?ジジイちゃん
なんか静かだな?」と覗き込み
水没状態を発見した救出直後はこんな感じで
まだうっすら意識があり
呼びかけると少しだけ顔を上げて
いつものあの薄ら笑いで
わたしを一度だけ見上げてくれました
ただしその後はコタッと全身の力が抜けたようで
それきりいっさい反応してはくれなくなったため
わたしも覚悟を決めるしかありませんでした
カメという生き物の特性上
本当にコイツは死んでるのか?
大泣きしながらネット検索したところ
・ 尻尾を引っ張って嫌がらなければ死んでいる
・ 鏡を鼻に当てて曇らなければ死んでいる‥etc
半信半疑であれやこれやしつつも
すっかり弔い慣れしているおかげで
それでもカラダは勝手に動き
良い感じのトマトジュースの箱を見つけてきて
中身をえいやっと放り投げたあと
全面をシルバーのゴリラテープで丁寧に巻き
ジジイさんのためのゴージャスな棺を
気がついたら作り上げていました
棺が出来上がる頃には
死後硬直が始まりつつありましたが
手作りには定評のあるわたし
その突貫工事で設えた棺は
のちにジジイさんを納めてみると
狙ったとおりまさにジャストフィットでした
しかしまあ
死んでるとは思えない
なんてくっそ可愛い顔‥ (꒦໊ྀʚ꒦໊ི )
長い間ありがとうね
楽しかったよ、ジジイさん
その夜のこと
わたしのアイフォンヌが誤作動したのか
謎の画像を知らぬ間に残していました
何か見えた方はご一報くださいませ
前日に葬祭業者の手配は済ませていましたが
九月四日当日は
朝から花を買いに行ったりと大忙しでした
福島訪問ペット火葬サービス
024-572-4194
https://www.petkasou-fukushima.com/
こちらの業者さんには
婆さま猫で以前にもお世話になっていますが
現在は持ち込んで待機できる施設は廃止して
専用車での訪問火葬のみとなっていました
かつては選択の余地もなかったのですが
今では同様の業者が複数参入しているようです
しかしこのご時世とくに値上がりした形跡もなく
相変わらずの商売っ気のないホームページのまま
とにかく前回の印象が良過ぎたこともあり
迷わず同じところに一発で決めました
ちょうど午前中に空きがあったようなので
下記のとおりで即予約
喪主/参列者 わたし
葬儀及び火葬場所 実家ガレージ
9時30分開始(所要 約2時間〜)
費用 二万円(体重による)
業者さん到着後
ペライチで渡されたのがこのプリント
文字が滲んでいるのはわたしの涙ではなく
異常な酷暑を一瞬和らげてくれた小雨のせいです
印刷傾き&インクジェットの手作り感 (゚∀゚)
ジジイさんは万全の体制でスタンバイ中
もちろんオヤツもたっぷり用意して
長い長い遠い遠いお出かけの時間を待っています
やがてまもなく
入念な準備と細かいチェックを経て
燃料の匂いと轟音の中ボイラーに火が入り
大真面目なセレモニー(カメ用)は
厳か(たぶん)に始まったのでした
クチをパカッと開けたQ太郎っぽい炉
担当の方が庭のオシロイバナをブッちぎって
旅立つジジイさんに添えてくれました
あんぐり開いたQ太郎のおクチに飲み込まれ
さあ、ジジイさんよ
灼熱地獄へと出発だ!
カラダのとても大きな担当者さんが
ちっさ爺いのカメのため
低く低く丁寧に頭を下げてくれました
この業者の担当者さんは前回もそうでしたが
残された飼い主の心のケアがお上手で
声かけも優しく温かいので
また鼻水で顔面がグズグズになってしまいました
ただし
「カメさんとの思い出話を‥」 とか
「どんなカメさんでしたか?」など
あらためて聞かれましても・・・まあ
そこはいかんせんカメなので
帰り際に一千円を「昼食の足しにでも」とお渡ししました
小一時間後
ジジイさんはすっかり身軽になって
わたしの元にしれっと戻ってきました
担当者さんが大変なのはここからです
ありし日の姿を再現すべくピンセットを用いて
小さなジジイさんのホカホカのお骨を
大きな手で一つ一つ整えていきます
おそらくですが
事前に図鑑などで相当の予習をして臨んでるはず
見ているコチラがなんか申し訳ない気分に‥
担当者さんとふたり
箸渡しの作法でお骨上げをしました (゚∀゚)
その模様は当事者なので写真無し
「欠けた部分があると
あの世での生活に
きっと困りますからねえ」
小さなカケラもハケで残さず骨壷に移す心遣い
爺さん婆さんの時のほうが雑だった気が‥ (꒦໊ྀʚ꒦໊ི )
キレイに残った小さな爪にしんみりしていたら
担当者さんがガラスの小瓶を持ってきて
そっと数本の爪を詰めて
タダで手渡してくださいました 優しっ!
一番小さな骨壷に
ジジイさんがまるっと納まり 担当者さんの手
以上、お式は
隣接するアパートの住人たちの
アイツら何やっとんじゃという
あからさまな好奇の視線を浴びつつ
終始泣き笑いのままで
無事につつがなくお開きとなりました
じゃ、ジジイさん
とっとと
おうちに帰ろうねえ
・・・ちなみに
ジジイさんを焼いた煙突からの煙が
実家のハナミズキの葉を
めっちゃチョリチョリにしました (゚∀゚)
トキさんが某川沿いから無断で引っこ抜いて植え付けたヤツ
当日
四十九日明け
現在
チョリチョリに焼けたせいなのか
その部分だけ葉が残ってることに
後日いきなり気づいてからは
まったく
ジジイさんめ!と
空を見上げては毎回ニヤニヤしています
あ、そうそう
つい最近わたしは暇にまかせて
イタコの口寄せを習得しましたので e-Learningで
せっかくなのでジジイさんに
この機会に是非とも試してみたいと思います
おそらくあの世を絶賛エンジョイ中でしょうが
いま一度しばし現世にお呼びして
ありがたいお言葉など頂きたく‥
ジジイさん
ジジイさん
そこに
いらっしゃいますか
オバサンはまだ
ものすごく寂しいです
そんなオバサンに
ナイスでグッドなお言葉
何か頂けませんか
・・・オイ
ソコノイツモノオバサン
オレ、ソウイウノ面倒クサイゾ
モウ、ヤメレ!
アト、モウ、メソメソスルナ
相当ブスニナッテルゾ
オレ、今メッチャ身軽デ
スコブル調子イイ!
アノ世デスイスイ泳イダリ
ドコデモステステ歩イテ
「オーイエーーッ!」て感ジ
ココ、飯ガイツデモ無料ダシ
エビ、マグロ、ササミ食イ放題!
オ陰様デ
オレナンカ今ジャ
肌ピッチピチの艶々ダゾ
ソレニ引キ換エッ!
オマエトキタラッ!
・・・イヤ、マア、頑張レ
初メテ会ッタ頃ノ
ソコソコイケテタ
23才クソオシャレ女ニ戻レ
・・・ハ、無理トシテ ⤵︎
オレ、アノ世ニ飽キタラ
イツカウチニ帰ルカモ
期待シナイデ待ッテロヨ
ダ・カ・ラ!
イツモノオバサンハ
コレカラハヒトリデ頑張レ!
ア、変ナ猫ヤ魚ノ世話
チャントシナガラ地味ニ生キロ
ア、ソウソウ!
ド貧乏デモ
タマニハ変ナ猫タチト
一緒ニ美味い刺身デモ食エ!
ジャアナ!
バッハハァーイ!
・・・だそうです
じつは
ジジイさんを送り出す準備を進めながら
見よう見まねですが
わたしはとある小さな呪いをかけてみました
感謝と労いの手紙に
切り取った自分の一部を同封して
どんな姿でもいいから
もう一度
このウチに帰って来い!
そして怪しい猫たちと一緒に
眠るジジイさんの周りで
祈祷のクネクネダンスを奉納しつつ
キッチリ四十九日のあいだ
海鮮(解凍)をお供えして願い続けたところ
それなりにいろいろなことが起こりました
洗濯物に取っ付いてきたカメムシ
ベランダで倒れていた謎のスズメバチ
部屋に迷い込んで数日過ごしたあげく
濾していたきりたんぽ鍋の残り汁に
ダイブしておっ死んだ巨大なハエ
どうやらジジイさん
転生にことごとく失敗し続けてるようですが
できればカワユスな子猫、子犬
最悪の場合は子亀でもいいのですが
その際は最期までは面倒を見られないかと
・・・そうそう
四十九日が明けたとたん
黒い中高年男性のお供え泥棒が
頻繁に現れるようになりました
そんなこんなで変わらぬ日々ですが
新たなる年を目前にして
まあ、つまり
会いたいなあ‥と思うばかりで (゚∀゚)
あ、ほんの一部ですがよろしければ (゚∀゚)