・・・前回からの続き
これで最終回です
やる気も根気もないわたしですが
なんとか歯を食いしばって
ここまでどうにか続けることができました
どうです?
一話くらい読み飛ばしてたりはしませんか?
にわかに不安になった方は
どうぞ「プロローグ編」に戻って
最初からもう一度お読みください ←無茶言うな (゚∀゚)
前回のラストでどうにかこうにか
無事?に要介護5の認定を勝ち取り
これでようやく
母をつつがなく終わらせるための準備を
ほんの少しだけですが
先に進めることができました
要介護4から5へのこの区変再申請を
最後の聖戦などと勝手に称して
しつこくも執念深くこだわったわたしを
何故にそこまで?
そういう性格の人?
単にヒマだったとか?
そんな風に感じた方が
複数人いらっしゃるかとは思いますが
あえて言うならば
決してつまらぬ意地や見栄
はたまた銭ゲバ的な理由などではなく
ただただ
母にまつわる誰もがヒシヒシと感じていた
この数ヶ月における
ヒトとしての急激な衰え
老いとは
長い階段を
一段一段降りるようだ
この手の例えがよく使われますが
母の場合はと言うと
徘徊でさんざん鍛えた脚力と
見切り発車的な積極性が
おかしなところで発揮されたのか
一段一段どころか
五段、十段と飛び越えて
半年ほどで
一気に地下まで駆け降りてしまいました
認知症も順調に悪化してはいましたが
今年の一月まで
抱えて介助すれば立って歩けていたものが
いっさい歩けなくなり
ショートステイにも
お迎えの職員さんに座らせてもらった車椅子で
ウイーン・・・と
リフト車に積載されての出発です
・・・それでも車の外から
いってこーい!と
窓ガラスを叩いて手をブンブン振れば
必ずコチラを見て
わたしに手を振り返してくれますので
車外で手を振る変なオバサンを
自分の娘として認識はしているようです ←たぶん
在宅よりはケアが手厚いので
というのは表向きで (゚∀゚)
週末は自分ものんびりしたい
そういう理由で続けていたショートですが
やがて飲み込みが本格的に悪くなり
本人の自力で食べようとする意欲もどんどん落ちて
施設サイドも頭を抱えることに
もちろん家でも同様で
主治医の先生から処方されるコチラが
しだいに母の主食になってきました
経腸栄養剤(経口・経管両用)の
エンシュア・H 250mL
カロリーはこれ1本で驚異の 375kcal
お味はバラエティ豊富で
みんな大好きコーヒーとバニラ
デザート感覚ストロベリーにバナナ
なぜか微妙なメロン味の5種類
以前からすでに父に処方されてましたので
その際にザックリ試飲してみた結果
ウチの実家では
コーヒー、バニラがスタンダードで
ゲリラ的にイチゴが登場する感じです
うーん
今月は何本にするかなあ?と
先生が箱の中の残りを数えている時に
あ、今月は〇〇味でお願いしまーす
しれっと伝えると
いつも希望の味を処方してくれます
父は気管孔造設手術済みで誤嚥しませんし
普通に日中はソファに座って過ごしていますので
このエンシュアをキンキンに冷やし
缶にストローを刺して
小腹が空くとチューチュー飲んでいます
ところが母の場合
昨年末に行った摂食・嚥下検査により
液体にはトロミ付けするか
誤嚥しない完全右側臥位を取るよう
細かく指導されたため
チューチューというわけにはいかず
これまた悩みのタネに
誤嚥の危険がない完全側臥位の理屈とはコチラ ↓
ネットからお借りしました
本来ならトロミ付けして
起こした姿勢で飲ませるところですが
ただでさえコッテリ味のエンシュアは
トロミでもはやユルいプリンのようで
飲み残しを流すと排水口が詰まるほど
ですのでトロミ付けに関しては
できるだけ
やりたくない・・・
母にとって安全な完全右側臥位
ベッドのままその姿勢を取らせ
液体を飲ませようとするのですが
これがまた
相当ムズい・・・
上手いこと側臥位の姿勢で
寝たまま液体を飲ませられないものか?
考えること小一時間 ←けっこう短い (゚∀゚)
そこで!
ジャジャーンッ!
わたしが脳味噌振り絞って開発したのが
完全側臥位の姿勢で
寝たまま液体が楽に飲める新兵器
その名も
ネタママノメールくん
(吸飲アシスト機能付き)
もとは100均のドレッシングボトル
その先の穴を
大胆かつ繊細にグリグリ削って
曲がるストローの太さに口径を合わせていき
ただ刺す!
するとあら不思議!
軽く押してあげるだけで中の液体が口まで届き
吸い込みの弱い母でも寝たまま一滴もこぼさずに
最後までラクに摂取することができるのです
製作時間15分、材料費100円とちょっと
実際この手作り装置?は
介護や医療のプロのみなさんから
マジでめっちゃ
褒められました (゚∀゚)
はじめこそ
得体の知れないドロドロを手作りしてみたり
市販の介護食を箱買いしてみたりしましたが
衰えの進行スピードが速すぎて追いつかず
・・・結果
介護部屋には置き去りにされたストックの山が
栄養補給にはエンシュアがメインで
その他はこんな感じです
水分補給としてはコチラがオススメです
サラサラしたピーチドリンク風味で飲みやすく
完飲すれば 200kcalが摂取出来て
同時に10gのタンパク質も補えます
母もコレがいちばんゴクゴク飲むようです
ポカリスエットもよく飲んでくれるので
一日一回の薬の服用にも使用しています
飲み込みの都合上
薬はすべて粉砕薬なので
水よりも溶けやすいコチラに溶かして服用します
薬によっては適さない場合もあると思いますのでご確認を
・・・とはいえ
どんなにこちらが
食べさせよう飲ませよう
キーキーワーワー頑張っても
母はすぐに疲れて眠ってしまうので
一日の目標カロリーをなかなか摂取させられず
低栄養や偏りが常態的になっており
それがどうしても褥瘡の原因に・・・
早々に導入した自動体位変換ベッドや
タオルを重ねて丸めるなどした
手作りの体圧分散用グッズも
効いているのかいないのか・・・
そんなとき訪看さんから
褥瘡の治りを早めるんだよ!
そう教えられ
さっそく大人買いしたのがこのドリンク
こちらの効きもイマイチ不明ですが
なかなかに美味しいし
お肌に相当イイらしい
ということで
わたしがガンガン飲んでる感じです
姉やヘルパーさんとのある日の引き継ぎメモたち ↓
あとはえーと
あ、そうそう
褒められたというか
呆れられたというか
ともかく
関係者を震え上がらせたことには
間違いないのがこの買い物です
母の褥瘡処置のために思わず楽天で衝動買い
往診や訪問看護の際に
頂けることは頂けるのですが
普通に発注してると
どうやらお高級品らしいので
あまり大量には要求しづらいこともあり
できれば部材は
つねに豊富に揃えておきたい
常日頃から装備品ストックに情熱を燃やす
反トヨタ方式とも言える
特異なライフスタイルを貫くわたしは
ネットで探してポチッとゲット
全額自腹購入なので
貼り付けに多少失敗しても
何度でも納得いくまでやり直し放題
そう、まるで
湯水のように・・・
必要なサイズにカットしておけば
訪看さんに喜ばれること間違いなしです
まあそこそこ
お値段は
お高いのですけども
腐るもんじゃありませんからね
あとはこの
メロリンガーゼとフィルム
いわゆるドレッシング材のセットがあれば
今後いっさい
絆創膏的なモノを買わずに済みますし
セットで貼り付けてありますが防水性が高く濡れても平気です
あ、太いけど足ではなくて腕です (゚∀゚)
え?
お金の無駄遣い?
でもすべては母のためですからね
今こそ親の金を使わなければ!
ということで
もちろん
ストック決定です (゚∀゚)
・・・前回までのお話では
母の要介護5認定獲得までの
スッタモンダの紆余曲折をお伝えしましたが
認定を得るためのコツ
そんなものがもしもあるとしたら
あらためてわたしが思うのは
介護にかかる手間と時間
試行錯誤や工夫
そして
介護保険に頼りきるのではなく
費やす時間や費用の点で
その家庭なりに
いかに身を削っているか
そこいらへんをごく自然に嫌味なく
言葉少なにアピール出来るかどうか
・・・なんちゃって (゚∀゚)
いやまあ
調査員さんのレベルやスキルは別として
くすくすくすくす
母にとって最後になるかもしれない
大きな意味のあるこの介護認定で
却下という結果に納得できず
情報開示請求という荒技で戦ったことで
わたしの名が
クレーマー中高年女性として
市のブラックリストに
載ってしまうのでは?
そんな危険もありましたが ←いや、マジでヤバい (゚∀゚)
もう今となっては
結果オーライということで
ここは良しとしますか ←たとえクレーマー決定でも
ここ数年のネットの噂では
財源の節約を図ろうと
介護認定の審査基準を厳しくして
要介護者を増やさないように
各地方自治体に指導しているとか
・・・あくまで噂ですけども
彼らのやりそうなことなので
この噂には百パーセント納得してしまいました
ですので!
もしも家族の認定結果が送られてきて
あれあれあれ?
こんなはずはないぞ!
なんだかおかしいぞ?
そう思った場合は
まず担当ケアマネさんに相談して
ケアマネさんの権限で資料を請求してもらい
内容をチェックした上で
関係者間でじっくり対策を練ってください
あ、その際は
この赤い部分に記載された審査請求ではなく
しれっと穏便に
区分変更申請をしましょう
・・・しかしまあ
よくもこれだけ
何言ってんのか分からん
ややこしい表現が出来るものだなと
何度読んでも感心させられてしまいます
えーと、たぶんわざとですよね (゚∀゚)
その上で
「却下」として差し戻されたなら
母のためにわたしが行った
この面倒な一連の流れを
そっくりそのまま実行してみてください
自分や家族のため
やってみる価値はあると思いますよ
やはり正義は
キチンと
為されなければ
なりませんからね
・・・もしもあの時
三月に却下されたまま泣き寝入りしていたとしたら
その後のことを考えるとわたしは
きっと一生
自分のことが許せなかったと思います
レッツトライ
情報開示請求!
あ、ブラックリストの件は置いといて (゚∀゚)
あれは
ゴールデンウィークのことでした
二月に亡くなった母の弟の家族が
休みを利用してわざわざ会いに来てくれました
わたしにとっては
叔母さんとLINE友達でもある従妹です
せっかくの機会なので
母に喝を入れて
なるべく覚醒させようと思い
この方にも人肌脱いでいただくことに
これまでにも何度も実家に同伴して
でっかいチビちゃんには
いろいろ働いてもらってますが
いつもたいへん良い子でいてくれます
この日は万が一のために
猫用のオムツを履かせてみましたが
ちょっと、いや・・・かなりサイズ的に無理が (゚∀゚)
でっかいチビちゃん効果なのか
母はこの数ヶ月で稀にみるほどの冴えっぷりで
叔母さんが持参したかつての自分の大好物
練り雲丹の瓶を手に取り
「ネリウニ!」と声に出して
あの難しい漢字を読んでみせたものですから
その場にいた皆が喜んで
わたしが気を良くして
でっかいチビちゃん
可愛いよねえ?
そんなことを尋ねたら
うーん、どうだろう と答えたので
そこは思わずギャフンとなりましたが
なにはともあれ
母にとっても
居合わせたみんなにとっても
しごく穏やかな良い一日でした
そうそう!
でっかいチビちゃんと初見の従妹は
そのビジュアルにすっかり釘付けとなり
もちろん
しっかり抱っこして帰りましたとさ
そんな風に
ときおりですがふっと覚醒する母が
ある日ジーッとわたしを眺めて
こんなことを言いました
・・・ねえ?
アンタのこと
どうすっぺねえ?
ほんの一瞬のこととはいえ
どうやらこんな状態になっても
溺愛していた未婚中高年末娘の
いっこうに定まらぬ行く末を
いまだに案じて
心を痛めているようでした
すぐに元通りの
ボンヤリした母に戻り
さっそくウトウトし始めた様子ですが
そういう時わたしは
聞こえているかどうかは別として
こんなことを話しかけてみます
大丈夫ですよ
あなた方お二人のおかげで
親の在宅介護という
門外不出の
大いなる飛び道具を
手に入れましたからね!
いっそ介護もこなす
ワンランク上の
後妻業とか
そのあたりでも
いっちょ狙ってみましょうか
この長い介護生活で
わたしの人間力はまあまあ進歩を遂げました
ですから
そんな心配は無用ですよ!
むしろわたし的には
どちらも同じくらい
頑固で意固地で幼くて
喧嘩ばかりしている二人の姉たち
そちらのほうが全然ヤバいと思いますので
どうぞあの二人のほうを
しっかり
見守ってあげてくださいませ
・・・おやおや
母はやっぱり聞いていなかったようで
すっかり寝入ってしまったようです
あれまあ・・・でも
要介護5も
無事にもらえたことですし
安心してゆっくり
おやすみなさいませねえ (゚∀゚)
・・・こうして
勇者(わたし)の闘いは終わりました
そしてもうひとり
真の勇者である母
その長かった旅の終わりは
どうやら静かに近づいて来ているようでした
・・・お終い
「お礼をひとこと」
長い長いお話を
最後までお読みいただきありがとうございました (゚∀゚)